猫の脾臓の肥満細胞腫
- ハーブ動物病院スタッフ

- 10月10日
- 読了時間: 2分
こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は猫の脾臓の肥満細胞腫について症例を紹介します。
術中写真を掲載しています。苦手な方はご注意下さい。
猫の脾臓の肥満細胞腫とは
猫の脾臓の肥満細胞腫は、脾臓に発生する悪性腫瘍で、最も一般的な猫の脾臓腫瘍です。
症状は嘔吐や食欲不振など非特異的です。
診断には、エコー検査や針生検による細胞診、脾臓摘出後の病理組織診断が必要です。
治療は脾臓摘出が第一選択であり、生存期間中央値は12-19ヶ月です。治療しない場合の生存期間中央値は一般的に4-6ヶ月程度以下です。転移がある場合でも手術による治療効果は大きく、術後補助的化学療法の併用も検討します。
ここで症例を紹介します。
症例:猫、mix、8歳、避妊♀
主訴:口元に自壊した腫瘤がある
腫瘤が炎症性か腫瘍性かを見るため針生検とエコー検査を行いました
細胞診:肥満細胞腫疑い
エコー検査:脾臓が蜂の巣状エコー所見を呈し、腫大
仮診断:脾臓の肥満細胞腫と皮膚転移
脾臓は明らかに腫大しており、腹腔内播種を避けるため脾臓の針生検は実施せず
治療:脾臓の外科摘出
脾臓は腫大しているのみで、特に大きな合併症もなく、定法通り摘出しました
口元以外にも複数の皮膚に小結節を認め、転移が疑われました
病理組織診断:脾臓の肥満細胞腫
既に全身に転移があるため術後補助的化学療法を提案しましたが、飼い主様希望で無治療経過観察となりました。
今後は生活の質が維持できるようサポートできればと思います。
早期発見・早期治療を目的に定期的な健康診断をお勧めます。
以上です。













