こんにちは。
ハーブ動物病院です。
当院では猛禽類の診察も行っております。
今回は、電池を誤飲してしまった症例について紹介します。
症例:ハリスホーク、1.1kg
主訴:電池を誤飲してしまった
電池は誤飲により、電池の内容物が消化管内で溶け出すと消化管粘膜の化学熱傷(やけど)を起こし、重度の消化管穿孔を引き起こすため、早急に摘出する必要があります。
x線検査:食道から胃にかけて電池の存在が認められた
飼い主様希望で一晩吐き出させるために様子を見ることになりましたが、難しく、外科的に摘出することになりました。
治療:内視鏡もしくは胃切開による外科摘出
鳥類固有の解剖学を理解した上でアプローチする必要があります。
麻酔管理を十分に気をつけながら、気嚢など損傷しないよう胃までアプローチし、糸で牽引して胃切開を行いました。
異物は食道から胃にかけて位置しており、アプローチが大変でしたが、無事に異物を摘出しました。
すでに胃粘膜の1/4ほどは重度の化学熱傷を起こし粘膜全体が硬固かつ脆弱になっており、術後の癒合不全や消化管穿孔が心配でしたが、切開部を定法通り閉鎖して、術後は特に合併症もなく治癒してくれました。
猛禽類は誤食してしまうことがあるため今後も要注意かと思われます。
以上です。