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犬の食物による食道閉塞

更新日:2023年6月19日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回はジャーキー丸呑みした後から頻回嘔吐の犬の症例について紹介します。

症例:M・ダックス、9歳、避妊♀

主訴:ジャーキー丸呑みした後から頻回嘔吐、元気・食欲なし

頻回嘔吐の原因としてまずは閉塞所見があるか腹部エコー検査、胸腹部x線検査を行い、一般状態や他の病気のチェックとして血液検査をしました。


血液検査:重度の脱水と炎症(CRP5.5)

画像診断:明らかな異物を疑う所見は認められず


消化管閉塞であれば時間との勝負になりますが、画像診断では判断が付かなかったため、急速輸液と対症療法を行い一般状態を改善させた後、念の為麻酔下で消化管の内視鏡検査を行いました。


内視鏡検査:胸部食道にジャーキーが閉塞、胃や十二指腸は異常認められず

閉塞していたジャーキーを内視鏡で胃内に落とし込みました。

食道粘膜は出血、糜爛が認められました。

報告では骨であっても胃内であれば消化されるとのことでそのままとしました。


ジャーキーは一般的なトリーツですが、丸呑みすると食道に詰まるという事例でした。

食道内異物による閉塞では24時間以上で穿孔のリスクが高まると人では言われており、迅速に対応できて良かったと思います。

主訴と症状からは消化管閉塞が疑われ、内視鏡がない施設で例えば試験開腹を行ったらと思うと怖い症例でした。

食べ物といえど丸呑みは危険です。

以上です。

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