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犬の誤嚥性肺炎

更新日:2022年1月8日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は犬の誤嚥性肺炎について紹介します。


症例:トイプードル、12歳、去勢♂、6.7㎏

主訴:呼吸が荒く、元気・食欲がない

身体検査:体温39.1℃


x線検査:右肺前葉と中葉の虚脱、不透過性亢進


肺エコー検査:右肺前葉から中葉領域の虚脱と一部に含気、軽度の胸水を認めた

血液検査:白血球数増多とALP高値


この段階で腫瘍性病変は否定されました。

稀にある肺葉虚脱の可能性も視野に入れながら誤嚥性肺炎と仮診断し、治療を開始しました。


診断:誤嚥性肺炎


治療:酸素濃度40%のICU室管理、抗菌薬(セフェム系とメトロニダゾール)投与、2-3日の絶食

誤嚥性肺炎の起因菌のほとんどは嫌気性菌のため、それに対する抗菌薬を選択し、静脈内投与で治療しました。

治療後3日目で飲水できるまでに改善し、食欲も回復しました。

その後、呼吸状態が改善するまで継続治療しました。


x線検査(治療後):右肺前葉から中葉領域の虚脱と不透過性は完治


誤嚥性肺炎は、命の危険のある怖い病気ですが、本人の治癒能力と動物用ICU室のおかげで、無事元気に退院することができました。

今後は基礎疾患やダイエットなどを行い、健康寿命を延ばせるようサポートする予定です。


以上です。

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