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断尾手術を要した犬の常同障害

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は犬の常同障害、尾追い行動について紹介します。


常同障害とは

持続的なストレスにより、同じ行動を無目的に反復的に繰り返す常同運動が生活に質に悪影響を及ぼすほどになった状態を言います。

犬の尾追い行動や尻尾を噛むなどの自傷行為がエスカレートすることもあります。


下記の点が重要です。

・かゆみやてんかんなど他の疾病の除外

・常同障害の場合、何がトリガーもしくはストレスの原因なのか行動を観察する

・精神的ストレスの解消に努める → 日常的なお散歩、トレーニング

・常同行動から別の行動へのすり替え → エサを入れて遊ぶコングなどを用いる 

・尾追い行動は無視する → 飼い主の注意を引くための行動かもしれない

・落ち着きのある時にフードやトリーツを与える

・常同障害の治療薬SSRIの内服


尾追い行動から尾を齧るようになり、さらにエスカレートすると、皮膚の壊死、感染が起こり、断尾手術を余儀なくされるため、飼い主様も含めて長期間治療に協力する必要があります。


ここで症例を紹介します。

症例:ミニチュアダックスフント、3歳、未去勢オス

主訴:尾追い行動から尾を齧るようになり、壊死してしまった




術前血液検査:特に異常所見認めず


治療:断尾手術と常同障害の治療(問題行動SSRIの内服)

将来的な会陰ヘルニア発症リスクを下げるべく、去勢手術も同時に行いました。


この症例は、無事手術も終わり、日帰りで退院することができました。

今後は常同障害の治療に専念し、再発防止に努める必要があります。


以上、犬の常同障害と断尾手術についてでした。

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