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ハムスターの心臓病と肺水腫

更新日:2021年9月17日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。

今回はハムスターの心筋症と肺水腫について紹介します。


症例:ゴールデンハムスター、メス、1歳8ヶ月、152g

主訴:安静時の呼吸が苦しそう

緊急的な状態のため、慎重に呼吸状態を確認しながら、x線検査とエコー検査を行いました。

x線検査:心陰像が消失し、胸水の貯留、肺水腫を認めた


胸部エコー検査:左心拡大を認めた

小型の動物なので、心拍数も早く、心臓も小さいので、検査の難易度は高く、得られる情報は少なくなります。

拡張期の左心室内径:7.8mm(基準値:3.7-4.5mm)

収縮期の左心室内径:6.7mm(基準値:1.9-2.7mm)

肺エコーでは、肺水腫を疑うBラインを多数認め、胸水も軽度に貯留しておりましたが、腫瘤性病変は認められませんでした。


診断:心筋症による肺水腫


治療:酸素濃度40%のICUでの入院と利尿剤、ACE阻害薬、強心薬の経口投与を行いました。

1日ほどで呼吸状態は改善され、活動性、食欲も徐々に回復し、退院しました。

その後はしばらく状態に波があり、酸素室をレンタルして頂き、自宅療養としました。


心筋症は完治させることは難しい病気です。

飼い主様の協力のもと、いかに日常生活を問題なく過ごせるかを重視します。


ハムスターは決して寿命が長い動物ではありませんが、1日1日を大切にご家族とともに過ごしてもらいたいと考えています。


以上です。

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