犬の腹膜心膜横隔膜ヘルニア
- ハーブ動物病院スタッフ

- 6月1日
- 読了時間: 2分
こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は犬の腹膜心膜横隔膜ヘルニアについて症例を紹介します。
術中所見を掲載しています。苦手な方はご注意下さい。
腹膜心膜横隔膜ヘルニア(PPDH)とは
生まれつき横隔膜が正常に育たず、お腹の臓器が心臓を包む膜(心膜)の中に入り込んでしまう先天性の病気です。犬での発生率は稀です。
症状:約半数の犬は無症状ですが、ヘルニア孔が大きい場合や臓器が強く圧迫された場合は呼吸促迫や発咳などの呼吸器症状や元気食欲低下などの消化器症状が認められます。
診断:主に胸部X線検査とエコー検査を行います。胸腔にある心臓に、肝臓や消化管などの腹腔にある臓器が連続性を伴って描出されることで確定診断となります。
治療:主に外科手術で、合併症が起きる前に早期の手術が推奨されます。心膜に入り込んだ臓器を腹腔内に戻し、横隔膜に開いたヘルニア孔を縫合閉鎖します。
ここで症例を紹介します。
症例:犬、ミニチュアシュナウザー、4ヶ月齢、♂、4kg
主訴:呼吸促迫、元気食欲低下
一般身体検査:臍ヘルニアがあり胸部にかけてヘルニア孔が認められた
x線検査とエコー検査:臍ヘルニア領域で肝臓と心臓が部分的に連続性が認められた
血液検査:CRP軽度上昇
診断:腹膜心膜横隔膜ヘルニア
治療:ヘルニア孔の閉鎖
臍ヘルニア領域からアプローチして、定法通り開腹しました。
横隔膜は腹側面で一部欠損しており、腹腔アプローチで見えるはずのない心臓が目視できます。
鎌状間膜の脂肪組織が心膜内に入り込んでいるのが認められました。
癒着はなく、用手にて整復した後、横隔膜を非吸収糸で縫合して閉鎖しました。
その後、臍ヘルニア領域の腹壁を水平マットレス縫合も用いて縫合閉鎖しました。
術後は特に大きな問題もなく治癒しました。
典型的な腹膜心膜横隔膜ヘルニアではありませんでしたが、無事治療できてよかったと思います。
別の先天性疾患を有している可能性もあり、経過観察としています。
以上です。













