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犬の肛門嚢アポクリン腺癌

  • 執筆者の写真: ハーブ動物病院スタッフ
    ハーブ動物病院スタッフ
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:6 時間前

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は犬の肛門嚢アポクリン腺癌について症例を紹介します。

術中写真を掲載しています。苦手な方はご注意下さい。


肛門嚢アポクリン腺癌とは

肛門の左右にある肛門嚢の分泌腺に発生する悪性腫瘍です。

領域リンパ節(腰下リンパ節群)等への転移性が高く、腫瘍随伴症候群として高Ca血症がみられます。

症状:初期は無痛性ですが、進行すると排便時に痛がったり、多飲多尿が認められたりします。

診断:触診、細胞診、エコー検査、X線検査、CT検査、血液検査等で局所の拡がりと転移の有無、腫瘍随伴症候群を含む一般状態の評価を行います。

治療:外科手術による腫瘍や転移が認められるリンパ節の摘出が第一選択です。術後の補助治療として、化学療法や放射線治療の併用が推奨されます。

予後:無治療の場合、中央生存期間は約2-3ヶ月ですが、外科手術や化学療法を併用すると1年半から3年以上の長期生存が期待できます。腫瘍の大きさ、リンパ節や肺・肝臓への転移、高Ca血症等があると予後が悪くなります。


ここで症例を紹介します。

症例:マルチーズ、11歳、去勢♂、5kg

主訴:右のお尻に硬いしこりができて、急に大きくなってきた


触診:炎症兆候を伴う硬固な腫瘤が右側肛門腺付近から発生しており、直腸内は異常を認めなかった

エコー検査:高エコー性の充実性腫瘤を認めた(非腫瘍性の肛門嚢破裂は否定的)、腰下リンパ節群の腫大は認められず

針生検と細胞診:上皮系の細胞集塊を認めた

胸部x線検査:異常認められず

血液検査:軽度ALP上昇、Ca、PTH-rp等は基準値範囲内


診断:肛門嚢アポクリン腺癌疑い(T2N0M0)


治療1:外科切除

飼い主様とご相談の上、急速に増大していることから翌日に腫瘍の摘出となりました。

腫瘍は右側の肛門嚢付近から正中を超えるほどに増大、尿道カテーテルを設置して、尿道と直腸を確実に温存しました。

外肛門括約筋や会陰部の筋肉は可能な限り温存しながら腫瘍を慎重に剥離して摘出しました。

術後は数日間便失禁や機能性イレウスによる嘔吐等があり、術創の感染対策としてこまめに付着した便を洗い流してあげたり、程よくお散歩して腸管の蠕動運動を促進させてあげたりと、術後管理としては苦労がありましたが、飼い主様の熱心なサポートもあり、大きな合併症には至りませんでした。


病理組織診断:肛門嚢アポクリン腺癌

辺縁部切除、一部マージン狭小、異型性高度で核分裂像多い、脈管内浸潤あり


治療2:術後補助的化学療法

外科治療が無事終わり次第、ご家族とご相談のもと、術後補助的化学療法を開始しました。

カルボプラチンとトセラニブを併用しながら再発と転移を抑えられるよう今後もサポートしていく予定です。


腫瘍症例でお困りの場合は、是非一度当院までご相談頂ければと思います。

以上です。

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埼玉県川口市のハーブ動物病院

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