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ウサギの臍ヘルニア

更新日:2021年6月1日


こんにちは、ハーブ動物病院です。

今回はウサギの臍ヘルニア整復術を行なった症例ついて紹介致します。

術中の写真を掲載します、苦手な方はお気をつけ下さい。


臍ヘルニアとは…へそ部位の筋肉が完全に閉じきらないため、脂肪や腸管が皮下に脱出してしまう状態をいいます


症例:アメリカンファジーロップ、1ヶ月齢、雄

主訴:腹部にコブ状のものがある、元気があまりない、排便排尿あり


腹部を確認すると、筋肉、皮膚の一部が裂け、腸管が透けてみえます。

幼体のため脂肪が少なく、ヘルニア輪には腸管が入り込み嵌頓を起こしています。


嵌頓とは…脱出した腸がもとに戻らなくなる状態をさします。

通常のヘルニアは筋肉が裂けているだけのため、指で脱出している部分を圧迫すると元の位置に戻りますが、嵌頓を起こしていると裂けている部分に腸が食い込んでいるため元の位置に戻すことができません。

この状態が長く続くと、腸に血流が届かなくなり、壊死を起こします。


ヘルニアの治療法は脱出している腸を腹腔内に戻し、裂けている筋肉を縫合します。

剃毛すると、ヘルニア輪の上部まで皮膚が裂けているのがわかります。

皮膚を切開すると、腸が出てきました。

写真左側の腸はうっ血し、他の腸に比べ変色しているのがわかります。

1日、手術が遅かったら腸が壊死していた可能性が高いです。

嵌頓を起こしていたため、筋肉の正中部分を少し切開し腸を元の位置に戻しました。

その瞬間にうっ血していた腸に血流が元に戻りました。

一安心です。

筋肉、皮膚をしっかりと縫合します。

術後は食欲もあり、排便排尿も問題ありませんでした。

傷口を舐めないように術後服で患部をカバーします。

術後は皮膚がしっかりとくっつくまで少し時間がかかりましたが、元気食欲等問題なく無事に抜糸が終了しました。

今後は再発防止のため、太り過ぎには注意が必要です。


以上です。




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