猫の鼻腺癌
- ハーブ動物病院スタッフ
- 2024年1月31日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年5月13日
こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は猫の鼻腺癌について紹介します。
猫の鼻腔腫瘍とは
猫の鼻腔腫瘍で最も多いのがリンパ腫(B細胞性が多い)で、次いで、腺癌、扁平上皮癌となります。
症状は、鼻汁、呼吸困難、顔面の腫れ、鼻出血などがあり、進行性に悪化します。
鼻腔腫瘍の治療は、多分割放射線療法が最も有効です。
リンパ腫であれば、化学療法が少分割放射線療法に相当する有効性を認めた報告もあります。
その他、癌腫の放射線療法ではMST:342日という報告があり、化学療法単独の有効性に関する報告はほとんどありませんが、カルボプラチンや分子標的薬のトセラニブが有効である可能性があります。
ここで症例を紹介します。
症例:猫、mix、11歳、去勢♂、4.0kg
主訴:鼻腺癌(診断済み)の治療相談
既往歴:FIV陽性、甲状腺機能亢進症
この症例は他院様にてすでに診断されておりました。
治療方針について、専門施設での放射線治療、化学療法、または併用を提示し、当院で化学療法を行うことになりました。
治療:化学療法(カルボプラチン10mg/kg/3wk/8サイクル、トセラニブ10mg/eod)と支持療法
治療は、猫自身が治療に協力的な性格であることもあり、順調に進み、鼻出血も改善しました。
途中から食欲不振により体重が減少してしまいましたが、支持療法を行い、その後は特に大きな有害事象もなく経過しています。
このまま治療を継続し、QOLを維持できるようサポートしていく予定です。
以上です。