猛禽類の絞扼
更新日:2020年11月22日
こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回はアンクレットにより絞扼(こうやく)を起こし、足先がうっ血してしまった症例について紹介します。
ペットの猛禽類は足にアンクレット(足革)をつけ、
ジェス(係留するための道具)をして生活しています。
これらは個体識別や万が一、逃げてしまった時の目印となるため必要とされています。
しかし、このアンクレットは人の手でつけられるため少しきつめにロックされてしまったり、材質が革のため劣化して皮膚に張り付いてしまったりという事故が多々あります。
片足をずっとあげているとの主訴で来院した小型のフクロウ。
足を見てみると

アンクレットより末端の部分が腫れ上がっているのがわかります。
しっかりと保定し、すぐにアンクレットを取り除きました。

うっ血のため皮膚の色も悪くなっていましたが、その後しっかりと足を動かすことができたため、抗炎症薬の内服と安静により経過観察としました。

一週間後の再診では足の色も元どおりになり、うっ血していた部分のむくみも取れました。
足をあげることもなくなり、一安心です。
猛禽類のアンクレットや足環のうっ血による創傷はとても多いです。
今回は軽傷でしたが、うっ血の度合いや長期的な絞扼の場合は足先が壊死してしまったり、後遺症が残る場合があります。
絞扼は猛禽類だけではなく、インコの足先に布が絡まったりしても起こります。
猛禽類は足先付近まで羽が生えているため、絞扼に気がつきにくいですが
取り返しのつかなくなる前にしっかりと観察することが大切です。
当院では猛禽類の診察も行なっておりますので、詳しくはお問い合わせ下さい。
埼玉県川口市のハーブ動物病院より