こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回はうさぎの尿道閉塞を呈した尿路結石について紹介します。
症例:うさぎ、6歳、未去勢、1.5kg
主訴:2日前から食欲なし、お腹の張りが気になる
既往歴:不正咬合、消化管うっ滞
視診:臼歯のやや過長
血液検査:異常認められず
x線検査:膀胱尿道移行部に大きな結石を認めた
診断:尿路結石による尿道閉塞
治療:尿路結石の摘出
閉塞した下部尿路結石は、膀胱内に押し戻して膀胱切開で摘出するか、尿道遠位まで引っ張り出した後、尿道切開で摘出します。
今回は結石が大きすぎたため、膀胱内に戻した後、膀胱切開して摘出する方法で行いました。
結石は骨盤腔内に嵌まり込んでおり、外尿道口から鉗子を挿入して逆行性に押し戻そうとするもほとんど動かず苦労しました。
膀胱において結石に近い遠位側で切開し、何とか結石を把持して摘出しました。
切開部位は吸収糸の6-0で縫合し、リークテストで尿が漏れないかどうか確認して閉創しました。
結石の大きさは直径1.4cmでした。
念のため、臼歯のカットも同時に行いました。
術後は疼痛も治ったようで、一般状態は問題なく、排尿もあり、翌日には排便も確認できました。
強制給餌を併用し、2日後からは食欲も戻りました。
うさぎの尿路結石の発生要因は複雑で、一概に予防策を考えるのは難しいです。
特に冬では一度尿検査やx線検査を含む健診を受けてみるのも一つだと思います。
以上です。