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愛鳥の見た目に変化はありませんか?〜脂肪肝と羽毛異常〜


こんにちは、獣医師の竹田ともみです。

皆様、愛鳥の昔の写真はよく見ますか?


最近ではペットの可愛い姿をよくSNSで見かけます。

スマートフォンなどで気軽に写真を撮ることができるのでデータフォルダの中は愛鳥でいっぱいの方も多いかと思います。

鳥は幼鳥期から成鳥にかけて生理的に羽の色が変わります。

愛鳥いぶこの幼鳥時代(上)と現在の姿(下)です。

特に顔まわりのオレンジが濃くなっているのがわかります。

愛鳥の茶々、柄の変化は一目瞭然ですね。

幼鳥は天敵から身を守るために目立たない色で構成されています。

羽の抜け替えのたびに少しずつ模様がつき、嘴も鮮やかになります。

キンカチョウは羽の模様で雌雄が判別できます。

青色が綺麗な「ルリコンゴウインコ」

この綺麗な青色は構造色といい、光の反射の加減で青色に見えます。

インコはその色鮮やかな羽の色が特徴で、遠くからでも仲間を確認できるようにこのような色になったと言われています。


少し前置きが長くなりましたが、そんな鳥にとって重要な羽が、病気によって色や形に変化を起こしてしまうのはご存知ですか?

羽は爪や嘴と同じアミノ酸の結合で作られています。

この結合を行うのが肝臓です。その肝臓が病気になると、羽や嘴に障害が出ます。


飼い鳥の肝臓の病気でもっとも多いのが脂肪肝です。

脂肪肝の主な原因は鳥の食生活で、食べ過ぎや脂質の取りすぎによるものです。

人と同じですね。

脂肪肝による嘴の長くなった症例です。

嘴が軟化し噛み合わなくなることで嘴が伸びます。

ごはんを食べられるように嘴のトリミングが定期的に必要です。

同じ症例で羽毛異常も出ています。赤い丸の部分の羽をよく見てみると繊維状の羽が生えています。これはうまく羽が合成されていない証です。

この他に羽の色が真っ黄色になったり、コザクラインコでは赤いまだら模様が出てきたりと色彩の変化がでる場合もあります。


脂肪肝は内科治療を行います。

食事の改善と内服を併用します。肝臓の治療には時間がかかるため、早い段階で飼い鳥の異常に気づくことができれば治療期間も短くなる可能性があります。


ぜひ少し前の愛鳥の写真と比べて見てください。

鳥は歳を取ったという理由では羽の色はほとんど変わりません。

成鳥になってから見た目に変化がある場合はこのような病気の可能性が高いです。

気になることがありましたら、ぜひご相談ください。


ハーブ動物病院より


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