top of page
執筆者の写真ハーブ動物病院スタッフ

ペローシス・開張肢の治療法

更新日:2020年4月14日


こんにちは、獣医師の竹田ともみです。

愛鳥家のみなさま、『ペローシス』という病気をご存知ですか?

正式には開張肢と呼ばれ、脚が自然の状態で開脚してしまう病気です。

栄養不足や遺伝的とも言われていますが、根本的な原因はまだわかっていません。

病気を知るためにはまずは健康な子から

脚が左右対称に収まっていることがわかります。

飼い主様のお家で生まれた生後1ヶ月のセキセイインコさん

脚が左右対称でなく、向かって右側の脚は90度近く外側を向いてしまいます。

開張肢の治療法は栄養補給はもちろん、脚の位置を矯正させることが重要です。

脚にガーゼを巻き、その上からテープを巻きます。緩いように見えますが、血流を確保するためこの程度がベストです。そしてもう一手。落とし込み法です。市販のスポンジを半分に切り、適度な大きさの箱を準備します。そして切ったスポンジの隙間に脚を落とし込みます。

狭すぎると皮膚が擦れてしまい、広すぎると体ごと落ちてしまうので加減がなかなか難しいです。元気いっぱいなので動いてしまいますが、少し暗くしてあげると落ち着いてくれます。週に1度程度のテープ交換と、体の大きさに合わせて箱を取り替えます。

最初の来院から1ヶ月。羽や顔つきも1ヶ月でだいぶ成長しました。

そして、止まり木に止まれるまで回復しました!可愛さもひと塩です。

止まり木に巻いている青色のテープは滑り止めの効果があり、動物用に特殊加工されていて、糸のほつれがなく絞扼の心配がありません。開張肢の子だけではなく、文鳥さんや老鳥さんの止まり木に巻くこともオススメです。


開張肢は遺伝的な場合など100%治る病気ではありませんが、成鳥になると筋肉が固まり、治療が困難のため、できるだけ早い段階で治療を始めることが重要です。

今回は飼い主様の早期発見と早期治療が功を奏しました。


インコの雛健診も行っておりますので、ご相談下さい。


埼玉県川口市のハーブ動物病院より

閲覧数:7,429回

最新記事

すべて表示

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page