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犬の子宮水腫

更新日:2020年11月22日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は犬の子宮水腫・蓄膿症について紹介します。

術中写真を掲載しています。苦手な方はご注意下さい。


子宮水腫とは

未避妊の高齢犬に比較的よくみられる疾患で、子宮腺の過形成によって粘液の分泌が過剰となり、子宮内に粘液が貯留した状態です。 無症状の場合もあれば、元気・食欲低下、陰部からおりものなどの徴候が認められることもあります。 さらに、発情周期のうち黄体期では、黄体ホルモンによって子宮内膜の増殖が起き、子宮の筋肉は収縮しにくくなり、細菌感染が起きやすい状態となって、子宮蓄膿症に進行してしまう場合もあります。

ちなみに、未避妊の犬では10歳までに20%程度が子宮蓄膿症を発症したという報告もあります。



ここで症例を紹介します。

症例:ポメラニアン、11歳、3.6㎏、未避妊♀

主訴:数日前から元気がなく、ぐったりしている


血液検査:BUN軽度上昇、その他異常認められず

x線検査:子宮領域の腫大、変形性脊椎症と椎間板腔狭小化(T11-13)を認めた

エコー検査:子宮内に無エコー性の液体貯留と一部内腔に線維性構造物を認めた


診断:子宮水腫と変形性脊椎症

治療:卵巣・子宮の摘出

当院でも未避妊の犬や猫において、子宮蓄膿症や子宮水腫の症例は比較的よく遭遇します。

とても大きな子宮でしたが、可能な限り小さい切開線で、出血もほとんどない低侵襲な手術を行うよう心掛けており、周術期で特に大きな問題もなく、翌日に退院することができました。

今後は腰痛など発症する可能性もあり、体重制限が重要です。


出産をご希望しない場合には当院でも若齢時での予防的な不妊手術をおすすめします。

以上です。

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