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執筆者の写真ハーブ動物病院スタッフ

猫の消化管穿孔

更新日:2024年12月24日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は猫の消化管穿孔について症例を紹介します。

術中写真を掲載しています。苦手な方はご注意下さい。


症例:猫、8歳、避妊♀、4.3kg

主訴:元気、食欲低下、発熱

症例は発熱しており、その原因精査のため、各種検査を進めます。


血液検査:特に異常を認めず

エコー検査:腹水貯留、胃壁の腫大、十二指腸の波打ち像、腹腔内の遊離ガスを認めた

貯留液検査:細菌性滲出液

胸部x線検査:特に異常認めず


診断:消化管穿孔

腹腔内には腹水と遊離ガスを認め、腹水は多様の細菌と炎症細胞が主体であることから、消化管穿孔を疑い、外科治療に進みました。


治療:消化管穿孔の整復と抗菌療法

全身麻酔下で開腹し、穿孔部位を探します。

腹水は肉眼上、胆汁が混じっており、幽門から十二指腸にかけて裂傷が認められ、漏出していることがわかりました。

胆管や膵管は明らかな腫大がなく、目視できないため、術中に損傷しないよう慎重に、幽門から十二指腸を牽引して、裂傷部位の壊死組織を除去した後、ギャンビー縫合で閉鎖しました。

その他、胃壁や消化管は、視診、触診上、腫瘍や炎症を疑うような異常所見は認められませんでした。

腹腔内をよく洗浄し、ドレーン管を設置して、閉腹しました。


術後は発熱を繰り返し、食欲がなかなか元に戻りませんでしたが、腹水の貯留はなく、術後3日でドレーンを抜去し、内科治療を1ヶ月ほど続けながら無事元の生活に戻ることができました。

特に腫瘍や異物が原因ではなく、不明でしたが、無事完治して良かったです。


以上です。

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