こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は犬の食物アレルギーについて紹介します。
食物アレルギーとは
本来無害の食物をアレルゲンとして身体が認識してしまう免疫過剰の状態です。
それによって痒みを伴う皮膚症状や嘔吐・下痢などの消化器症状がみられます。
下記の点で特徴があります。
痒みを伴う再発性の皮膚炎
少なくとも一つ以上の皮膚病変(四肢端、外耳、顔面、背中、肛門など)
多くは1歳以下で発症
痒みに季節性がない
また、犬と猫で、食物アレルギーのアレルゲンを多い順に並べると、
犬(297例):牛肉(34%)、乳製品(17%)、鶏肉(15%)、小麦(13%)および子羊(5%)
猫(87例):牛肉(18%)、魚(17%)、鶏肉(5%)
と報告されています。
1才未満で外耳炎や皮膚の痒み、下痢を繰り返す場合、寄生虫の感染予防がしっかりされているのであれば、食物アレルギーの可能性が高くなります。
1才以上でも花粉やダニなど環境アレルゲンが少ない冬にも痒みがある場合、食物アレルギーを疑う必要があります。
食物アレルギーの診断とは
除去食試験(今まで食べたことのないタンパク源の処方食のみを1-2ヶ月給餌する)、もしくは血液検査(リンパ球反応試験)で診断します。
アレルゲンを含まない食事に変更することで大きく改善します。
フレンチブルドッグやシーズーなどに多い印象ですが、複数の項目にアレルゲンとして反応してしまう症例では、診断と治療に苦労する場合があります。
その後、食物負荷試験を行い、食べれるものを探して増やしていくことで、他の子と同様のおやつも安全に食べることができるようになります。
おやつを多種多様与えている子だと、対処が非常に難しくなるので、若いうちから診断することが大切です。
上記の症例は、10ヶ月齢で皮膚の痒み、脱毛が出ましたが、当院で適切に食物アレルギーを診断・治療したことによって、皮膚の赤みや脱毛も治り、投薬不要で他の子と変わらない生活が送れるようになりました。
皮膚の痒みが治らない場合などはお気軽にご相談下さい。
Comentários