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犬の扁桃腺の悪性腫瘍

更新日:5月13日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は犬の扁桃の悪性腫瘍の症例について紹介します。

犬の扁桃腺の原発性悪性腫瘍では、扁平上皮癌 (55%)、リンパ腫 (17%)、およびメラノーマ (12%) が一般的です。

偶然に発見されない限り、扁桃腫瘤は通常大きく、嚥下障害、咳、口蓋症、呼吸困難などの臨床症状を引き起こします。

扁桃腫瘍の多くは早期発見されにくいため、診断時に下顎および内側咽頭後リンパ節を含むリンパ節転移が、症例の最大 97% で報告されています。

治療は、外科切除、放射線療法、化学療法があり、単独もしくは併用で行われますが、基本的に転移があれば、予後は不良とされています。転移がない場合は外科切除と化学療法併用で生存期間中央値が15ヶ月との報告もあります。


ここで症例を紹介します。

症例:フレンチブルドック、14歳、避妊♀、10kg

主訴:当院でがん検診を行った際、偶然胃壁の異常を認めたため、麻酔下で内視鏡検査をすると胃内異物が胃壁に張り付いており、摘出、その際に偶然左側扁桃腺の腫大を認めた


細胞診:主に上皮系細胞集塊が多く、一部やや幼弱な扁平上皮細胞集塊を認めた


頸部エコー検査:下顎リンパ節や内側咽頭後リンパ節、下顎腺の腫大は認められず

胸部x線検査:異常認められず


仮診断:左側扁桃腺原発の悪性腫瘍


治療:左側扁桃腺の外科切除と左側下顎リンパ節、内側咽頭後リンパ節郭清

扁桃腺原発の悪性腫瘍は、転移することが一般的であり、予防目的でリンパ節郭清も同時に行いました。

左側扁桃腺は、仰臥位の状態で、開口、糸で扁桃腺の周囲を牽引し、バイポーラで腫瘤を辺縁切除した後、吸収糸で閉創しました。

合併症は出血が最も一般的とされておりましたが、特に問題ありませんでした。

同時にリンパ節郭清も慎重に行い、術後に術創の浮腫が認められましたが、生活する上で大きな問題にはならず、通常通り治癒して抜糸できました。


病理組織診断:扁桃腺の唾液腺癌(おそらく扁桃腺近くに存在した小唾液腺もしくは導管原発が疑われる)、リンパ節転移はいずれも認められず


偶然比較的早期に発見できており、リンパ節も郭清してあるため、今後は局所再発に注意しながら経過観察としました。


今回は、当院のがん検診で偶然早期発見につながりました。

全身の健康診断はやはり重要であり、是非ご利用頂ければと思います。


以上です。

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