こんにちは、獣医師の竹田ともみです。
今日はウサギの命とも言える歯について書きます。
ウサギの歯は常生歯と言われ、人や犬猫の歯とは異なり常に伸び続けます。
切歯(前歯)は牧草を引っ張ったりペレットを砕いたりする役割があります。
通常はしっかりと上下で噛み合っていることで切歯の伸びすぎを防ぎます。
しかし、ケージ等の金属や硬すぎる木の塊を噛み続け歯が欠けてしまったりすると、不正咬合を起こし歯が伸びてしまいます。
下の写真は一見、可愛らしい姿ですが、硬い金属のケージに注意が必要です。
この子は上前歯の欠損により、下の歯が伸びてしまっています。そのため生涯に渡り、定期的に前歯のカットが必要です。下の歯の場合はこのように外側に伸びるためすぐにわかりますが、上の歯の場合は口の中で回転するように伸び、上顎に刺さることがあります。
また、臼歯(奥歯)が伸びてしまうことももちろんあります。通常は牧草を食べ、すり潰すように作用することで臼歯の過長を防いでいます。
しかし、ペレットしかあげていなかったり、柔らかい野菜のみを与えられていたりすると臼歯が機能せず、伸びてしまいます。
そうすると、頬の粘膜を傷つけ、ばい菌が入り膿んでしまうこともあります。伸びてしまっている場合は膿む前に歯を定期的にカットすることが必要です。
牧草をあげることはもちろん、食事量が減っていたり、食べたそうにしているが食べなかったりすることに、いち早く気が付いてあげることが重要です。
ウサギは半日食べないと、胃の中で微生物による発酵が過多になってしまい、胃拡張という新たな問題を引き起こす可能性が出てきます。
可愛く、大人しくて人気のウサギさん
寂しくてどうかなっちゃうなんていう都市伝説がありますが、寂しくてではなく具合が悪くなってからの経過が早いのは正しいかもしれません。しかし、早急に適切な対応を行えばもちろん問題ありません。
当院の診察では健康診断でお口の中のチェックを行います。
爪切りやご相談ごとでもお気軽にお立ち寄り下さい。
埼玉県川口市のハーブ動物病院より
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