こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は猫の肝嚢胞について紹介します。
術中写真を掲載しています。苦手な方はご注意下さい。
肝嚢胞とは
肝嚢胞は、肝臓の中に嚢胞ができ、その中に液体が溜まった状態です。
原因は不明のものが多く、基本的に良性疾患ですが、大きさによっては破裂や周辺臓器の圧迫による腹痛などを起こす可能性もあります。
治療は破裂のリスクが少ない場合は無治療経過観察を行いますが、大きい場合や増大傾向の場合などは、肝嚢胞の切除を行います。
ここで、症例を紹介します。
症例:猫、mix、避妊♀、3.1kg
この症例は、一般状態良好で、偶発的にエコー検査で肝臓外側右葉に腫瘤病変が見つかりました。
エコー検査:肝臓外側右葉に孤立性の低エコー性腫瘤(2.6cm大)を認めた、その他異常所見認められず
x線検査:特に異常認められず
血液検査:特に異常認められず
飼い主様とご相談したところ、一般状態も良いため、診断と破裂の予防も兼ねて切除生検を行うことになりました。
治療:肝臓腫瘤の切除生検
肉眼上、肝臓右葉の尾側に腫瘤がありました。
腫瘤の頭側、正常と思われる部分を切開ラインに決め、ギロチン法とバイポーラシザーズで止血と切除を行いました。
術後も大きな合併症はなく、元気・食欲も良好でした。
病理検査:多発性肝嚢胞 腫瘍性増殖は認められない
原因は不明ですが、嚢胞が破裂し、胆汁が腹腔内に漏れ出ると腹膜炎につながるおそれがあるため、予防的に治療できよかったと思います。
今後は追加の治療もありません。
以上、猫の肝嚢胞についてでした。
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