こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は、地域猫のボランティア活動をされている飼い主様からご相談があり、直腸脱の手術を行った野良猫について症例を紹介します。
症例:野良猫、1-3歳?、去勢♂、2.0kg
主訴:野良猫がここ数日間お尻から何かでており調子が悪そう
容易に保護できるほど衰弱しており、来院の上確認すると、直腸脱を起こしていることがわかりました。
野良猫ということもあり、触診上、直腸は連続性があり、閉鎖している様子はなかったので、腸重積かどうかの画像診断は行わず、全身状態の把握として血液検査を行いました。
治療:壊死した直腸の切除と吻合
脱出した直腸粘膜は一部壊死しており、全身状態として飢餓状態にあったと思われます。
縫合糸で3点保持を行った上で、正常な粘膜レベルで円周上に切開、鉗子を内腔に挿入して内腔がどこか把握した上で、内腔と反転した粘膜断端同士を連続縫合で吻合しました。
肉眼上、他の猫と同じような状態で終わりました。
飢餓状態のため、手術直後から末梢静脈栄養を行い、翌日から強制給餌による腸管栄養を併用、その他、抗生剤や粘膜保護剤、鎮痛薬による支持療法を行い、術後2日目から食欲も回復、退院しました。
術後はやはり飢餓状態であったことと直腸脱を起こしていた期間が長かったためか血便、便失禁、肛門周囲の皮膚炎等がありましたが、飼い主様の手厚いサポートの元、元気食欲共に回復してくれました。
当院かかりつけの地域猫ボランティアの方達には経済的負担を考慮して、特別割引をご用意しております。
お気軽にご相談下さい。
以上です。
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