こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は、短頭種の軟口蓋過長と外鼻孔狭窄(短頭種気道症候群)の外科治療を行いました。
短頭種気道症候群とは
短頭種(パグ、ブルドッグ、フレンチブルドッグなど)によく見られ、気道が生まれつき狭窄(外鼻孔狭窄や軟口蓋過長、気管低形成等)していることによって、いびき、睡眠障害を含む呼吸障害を示す病態です。
近年、夏は猛暑が続き、熱中症などよりリスクが深刻化することもあるため、日常で呼吸困難を示す場合は、治療が推奨されます。
ここで症例を紹介します。
症例:フレンチブルドック、3歳、避妊♀
主訴:唾液腺炎に罹患した際に呼吸困難、チアノーゼを呈した
唾液腺である下顎腺が、感染と炎症が原因で腫大した際に頸部が圧迫されてしまい、呼吸困難を示したため、唾液腺炎を内科治療した後、軟口蓋過長と外鼻孔狭窄の手術を行うことになりました。
治療:軟口蓋切除と外鼻孔拡脹
この症例は、舌根部が口腔内を大きく占めており、術野の確保に少し時間がかかりましたが、手術時間はエネルギーデバイスを用いたことでかなり短縮できました。
外鼻孔は生検トレパン4mmを、軟口蓋はシーリングシステムを用いて切除し、各々吸収糸で閉創しました。
Before
After
術後は大きな合併症もなく、本人も呼吸が楽になったのか、明るい表情で拍子抜けしておりました。
以上です。
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