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執筆者の写真ハーブ動物病院スタッフ

猫の巨大結腸症

更新日:5月13日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は、猫の巨大結腸症について紹介します。


猫の巨大結腸症とは

骨盤狭窄や結腸の神経の異常、炎症性疾患などにより結腸の蠕動運動が正常に行われず、または過剰に水分を吸収してしまうことで便が硬くなり、便秘が起きてしまう病気です。

軽度の場合は、水分補給と可溶性繊維を多く含む食事療法、便を柔らかくさせる下剤、蠕動運動を促す薬、摘便など内科療法を行いますが、重度になると不可逆的であるため結腸を部分的に切除、吻合して短縮させる外科治療が必要になります。


ここで症例を紹介します。

症例:猫、4歳、去勢♂、5.8kg

主訴:便秘

x線検査:巨大結腸症


内科治療を先行しましたが、生まれつき骨盤腔が狭いのもあり、効果が見られないため外科治療である結腸亜全摘を行うこととなりました。


治療:結腸亜全摘

定法通り血管を処理し、吻合部の血管走行を温存して結腸を切除し、吻合、リークテストで縫合部から漏れがないことと吻合部の腸の血行状態に問題がないことを確認した後、閉創しました。

結腸亜全摘の周術期の合併症率は比較的高く、死亡率は14%との報告もありますが、この症例は特に何の問題もなく完治し、便も軟化して自力で排便が可能となりました。

再発率は30%との報告もあるため、引き続き内科療法は継続予定です。


以上です。

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