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猫の子宮奇形

  • 執筆者の写真: ハーブ動物病院スタッフ
    ハーブ動物病院スタッフ
  • 6月24日
  • 読了時間: 2分

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は、子宮無形成症について症例を紹介します。

子宮無形成症とは

子宮や腟の一部または全部が欠損して生まれる先天性の疾患であり、発生率は猫で0.9%との報告があります。

中腎の発生異常であるため、同側の腎臓が無形成である場合があります。

人では、ロキタンスキー症候群(MRKH症候群)という病気があり、中腎、ミュラー管の発達異常による生殖器の異常で、卵巣は正常に発達していることから、それに近い病態と思われます。


ここで症例を紹介します。

症例:ラグドール、♀、5ヶ月齢、2.2kg

主訴:特に症状はなく、元気食欲あり、避妊手術を希望

術前血液検査:特に異常を認められず


避妊手術:定法通り開腹下で右側の子宮卵巣を吊り出しましたが、左側の子宮が確認できず、切開線を拡大して正常な左側卵巣を発見しました。子宮は発達異常により血管と同径程度の未熟な構造物を呈していました。その後は定法通り摘出して、閉腹しました。麻酔の覚醒を含む周術期で特に問題は認められませんでした。


術後エコー検査:左側の腎臓は確認できず

報告によると、同側の腎臓も共に発生異常が見られる場合があるとのことから念の為、術後にエコー検査を行いましたが、この症例は左側の腎臓が認められませんでした。

特に元気食欲は問題が見られないため、無治療経過観察としています。


以上です。

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埼玉県川口市のハーブ動物病院

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