犬の陰嚢の肥満細胞腫

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は、犬の陰嚢に発生した肥満細胞腫について紹介します。

術中写真を掲載しています。苦手な方は注意して下さい。


肥満細胞腫とは

肥満細胞は、アレルギー反応や胃酸の分泌に関与する物質であるヒスタミンを産生し、炎症や免疫反応で重要な役割を持ち、全身に広く存在します。

肥満細胞が腫瘍化すると、過剰なヒスタミンによって局所のアレルギー反応や消化器の異常など、多くの症状を引き起こす可能性があり、また、悪性度が高い場合は、リンパ節や肝臓、脾臓などに転移します。

組織学的2段階評価を行うkiupel分類では、生存期間中央値は、低悪性度で2年以上に対し、高悪性度で4カ月以下と言われています。

発生部位が陰部、陰嚢、包皮、指、粘膜皮膚境界部、鼻鏡の場合や、発見時に臨床症状を呈していた場合、who分類でステージが高い場合などは予後が悪いと考えられます。


ここで症例を紹介します。

症例:フレンチブルドッグ、7才、♂

主訴:偶発的に陰嚢の腫瘤を発見

身体検査を行った上で針生検による細胞診を行いました。


細胞診:肥満細胞腫 低グレード疑い(2核の細胞が僅かに散在、核異型は軽度)

細胞診では悪性度は高くないように見えましたが、発生部位が陰嚢であり、予後が悪いとされることから外科切除を提案し、進行度を評価した後、治療に進みました。

エコー検査:特に異常認めず

血液検査:特に異常認めず


仮診断:陰嚢の肥満細胞腫(ステージⅠa)


治療:外科切除

腫瘍組織から離れて正常組織と思われる陰嚢皮膚境界部を切除ラインとして陰嚢、精巣、腫瘍(左側陰嚢尾外側に発生)を含む一括切除を行い、肉眼上では腫瘍は深部方向への浸潤は認めませんでした。


術後病理組織検査:肥満細胞腫(低グレード、完全切除)


この症例は早期発見・早期治療ができました。

組織検査でも悪性度は低く、完全切除できているので今後は無治療経過観察でサポートしていきたいと思います。


以上です。

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