犬の肛門嚢閉塞

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は犬の肛門嚢閉塞について紹介します。


肛門嚢について

犬や猫には肛門外側の左右(4時8時方向)に肛門嚢があり、肛門腺から作られる分泌液を貯留しています。

この分泌液は、縄張りを示すために役立つと考えられています。

肛門嚢疾患には、肛門嚢の閉塞、肛門嚢の炎症、膿瘍、腫瘍等があり、肛門腺破裂を起こすと強い痛みと感染を引き起こします。

最も頻度が高い肛門嚢疾患は肛門腺の閉塞です。チワワやトイプードルなどの小型犬種が罹りやすい疾患です。

原因には感染、炎症、腫瘍、肛門括約筋の筋力低下、肛門腺処置の不足などがあり、定期的なトリミングや動物病院での処置は大切です。


ここで症例を紹介します。

症例:チワワ、去勢♂、13才、3.8kg

主訴:肛門腺が絞れない


触診:肛門嚢左右共に腫大と閉塞、炎症所見認めず

肛門嚢の出口にカテーテルの挿入を試みるも閉塞しておりました。

このままでは肛門嚢破裂につながるため、念の為基礎疾患の有無の確認と内科的治療を先行しました。


血液検査:甲状腺ホルモンの低下


診断:肛門嚢閉塞

内科治療:抗炎症薬、抗生剤、甲状腺ホルモン補充療法

内科治療は全く改善が見られなかったため、肛門嚢破裂を予防する目的で左右の肛門嚢を摘出する外科治療を行いました。


外科治療:肛門嚢摘出(両側)

肛門嚢を破裂させないよう細心の注意を払って鈍性剥離します。

また、一部の肛門腺組織も取り残すと、術後の化膿等につながるリスクがあります。

肛門周囲にある肛門括約筋や血管などを可能な限り温存して摘出しました。

この症例は、術後数日間は排便時に痛みがありましたが、特に感染などもなく、順調に回復しました。

術前から無症状でしたが、破裂する前に対処でき、よかったと思います。


以上、犬の肛門嚢閉塞についてでした。

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