犬の産道閉塞と帝王切開

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は、犬の産道閉塞と帝王切開について、紹介します。

術中写真があります。苦手な方は注意して下さい。


症例:チワワ、メス、3.5kg

主訴:最終交配日から妊娠64日だが、分娩兆候が認められない


身体検査:食欲低下、体温37度前半、母乳の分泌を確認

エコー検査:胎児の正常な心拍を確認


検査の結果、帝王切開による分娩で対応することになりました。


治療:帝王切開

以前も当院で帝王切開分娩を行なっている母犬で、当院の定法通り帝王切開を行いました。

当院の帝王切開は、可能な限り小さな切開で、子宮の乾燥等による組織損傷を防ぐため、子宮を腹腔外に出さずに行います。


今回は、出口である子宮頸部内腔に充実性、可動性の腫瘤が見つかり、産道を閉塞している状態でした。

胎児を可能な限り迅速に取り出した後、腫瘤と周囲組織との関係を見て、摘出可能と判断し、腫瘤を含む卵巣・子宮を摘出しました。

子宮頸部は、結腸(子宮の背側)と膀胱(子宮の腹側)に生理的に癒着しています。

また、尿管と近接しており、尿管を確認し、温存する必要があります。

尿管と膀胱を支配する血管を温存、子宮頸部腫瘤の周囲組織との生理的癒着部を切開し、腫瘤の辺縁切除をしました。


病理組織検査:子宮平滑筋内の嚢胞(由来不明)

妊娠中に子宮平滑筋内に嚢胞が発生することは極めて稀であり、今回は嚢胞により産道が閉塞していたため、分娩が遅れていたと考えられます。

出血のリスクも高かったですが、無事母犬子犬共に元気です。


分娩徴候が予定日を過ぎても認められない場合は、無理せず帝王切開での分娩が安全だと思われます。


以上です。

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