こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回は犬の潜在精巣について紹介します。
潜在精巣とは
通常は生後1ヶ月程度で精巣は陰嚢内に下降しますが、精巣の下降が不完全で鼠径管または腹腔内に停留し、陰嚢内にない状態のことを言います。
停留精巣や陰睾とも言われます。
腹腔内に停留している場合は、精巣腫瘍のリスクが増加することが分かっています。
精巣腫瘍は、未去勢の犬において2番目に多い腫瘍であり、およそ15%程度が転移性を有すると言われています。
上記を踏まえ、潜在精巣は予防的に摘出することが推奨されています。
ここで症例を紹介します。
術中写真を掲載しています。苦手の方は注意して下さい。
症例:チワワ、未去勢オス、10ヶ月齢、2.2kg
主訴:陰嚢に精巣が触知できないため去勢のご相談
エコー検査:腹腔内に左右の精巣を認めた
治療:開腹下で潜在精巣の摘出
エコー検査で精巣の位置を予め把握できていたこともあり、術中も特に問題なく素早く終えることができました。
潜在精巣がある場合には、オスで2番目に発生の多い精巣腫瘍のリスクをさらに増加させるため、予防的に摘出することをおすすめします。
以上、犬の潜在精巣についてでした。