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犬の洞不全症候群

  • 執筆者の写真: ハーブ動物病院スタッフ
    ハーブ動物病院スタッフ
  • 7月2日
  • 読了時間: 3分

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


今回は犬の洞不全症候群(SSS)について症例を紹介します。

術中所見を掲載しています。苦手な方はご注意下さい。


犬の洞不全症候群(SSS)とは

犬の洞不全症候群(SSS)は、心臓の洞結節という電気刺激が発生する部位が正常に働かなくなることによって起こる徐脈性不整脈です。

症状:心臓の動きが一時的に停止するため、脳への血流が減りことによって、失神やふらつきを呈します。

好発犬種:ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエル、パグなどで特に高齢のメスに多いとされています。

診断:心電図検査や血液検査、胸部x線検査、超音波検査などが必要です。

治療:症状に応じて内科療法(心拍数を上げる薬や、心臓の働きをサポートする強心剤など)や外科療法(ペースメーカー植え込み術)が選択されます。


ここで症例を紹介します。

症例:犬、ミニチュアシュナウザー、10歳、避妊♀、5.7kg

主訴:特に調子は悪くなく、健康診断にて心雑音と不整脈を認めた

一般身体検査:心雑音と徐脈性不整脈

エコー検査:僧帽弁閉鎖不全症(stage B1)と数秒間の心停止を含む徐脈性不整脈を認めた

アトロピン負荷試験:アトロピン投与後、心拍数は一定のリズムで増加し、反応が認められた

血液検査:ALP軽度上昇


診断:洞不全症候群と僧帽弁閉鎖不全症

数秒間の心停止を含む徐脈性不整脈が頻繁であり、好発犬種であることから洞不全症候群が疑われました。


治療:ペースメーカー埋め込み術

この症例は診断後から徐々に失神やふらつきなどが認められるようになり、内科療法(シロスタゾール、ピモベンダン等)である程度の症状は改善しました。

年齢がまだ10歳ということもあり、飼い主様と当院に手術支援で来院される専門の先生を含めて治療方針を相談し、ペースメーカを埋め込む外科治療を行うことになりました。

手術当日では麻酔薬の影響もあり、心拍を増加させる薬剤では足りず、徐脈性不整脈が不安定でしたが、経食道心房ペーシングで心拍を安定化させることができ、手術を開始することができました。

定法通り開胸し、心膜切開後、心膜に数箇所縫合糸をかけて心臓を牽引、ペースメーカーのリードを縫合固定しました。本体は側腹部の皮下に埋め込むようにして設置し、リードと接続します。

設置したペースメーカーと手術の進行をサポートしていた他のペースメーカーとの切り替えを行い、正常の動作していることを確認して定法通り閉胸し、無事手術を終えることができました。


術後は元気食欲もあり、特に大きな問題もなく、治癒しました。

ペースメーカー本体が費用的に高く、高額な治療になってしまいます。

専門医と連携することで当院において費用的にも交通面でもなるべく負担を軽減することができ、よかったと思います。

今後は弁膜症も含めて経過観察し、サポートできればと思います。


以上です。

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埼玉県川口市のハーブ動物病院

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