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犬の僧帽弁閉鎖不全症

執筆者の写真: ハーブ動物病院スタッフハーブ動物病院スタッフ

更新日:2020年6月16日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。


犬の平均寿命が延びつつある中、加齢に伴う心臓病も増えてきており、飼い主様も犬の心臓病に気付いていないことが少なからずあります。

そこで今回は高齢犬に多い弁膜症、僧帽弁閉鎖不全症について紹介します。


僧帽弁閉鎖不全症とは

弁膜症には、弁が開きにくい”狭窄症”と閉まりにくい”閉鎖不全症”があります。

​高齢犬に多い僧帽弁閉鎖不全症は、左心房と左心室を隔てる僧帽弁が粘液水腫様変性を起こして、閉鎖不全となり、左心室から左心房に血液が逆流、左心房が拡大、発咳し、さらに病態が悪化すると心不全となり、致死的な肺高血圧、肺水腫を起こします。


ここで症例を紹介します。

症例:チワワ、12歳、去勢オス、2.8㎏

主訴:元気・食欲がない、咳がひどくなってきた

身体検査:収縮期心雑音(Levine 4/6)を聴取


心エコー検査:僧帽弁逆流、左心房の拡張を認めた



診断:僧帽弁閉鎖不全症 ACVIM ステージC


治療:ピモベンダン、ACE阻害薬による内服と安静


この症例は、幸い内科治療により、次の日から食欲も回復し、現在も特に大きな問題もなく生活できています。

今後は3-6か月ごとに心エコー検査を行い、数値をモニターすることになります。

仮に悪化すれば、投与量を増やしたり、利尿薬を追加するとともに、腎機能を血液検査でモニターする必要があります。

日常生活において自宅では、心不全の発症に早期対応できるよう安静時の呼吸数をモニターする必要があります。「>40回/1分間」で早急に来院する必要があります。


梅雨に時期になり、猛暑によって悪化しないよう熱中症対策を含め、心不全の発症を起こさないことが重要です。


以上、高齢犬に多い僧帽弁閉鎖不全症についてでした。

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埼玉県川口市のハーブ動物病院

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