ハリネズミの脾臓のリンパ腫
- ハーブ動物病院スタッフ
- 6月13日
- 読了時間: 2分
こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回はハリネズミの脾臓リンパ腫について症例の紹介をします。
ハリネズミは腫瘍性疾患が多く、悪性腫瘍の割合が高いことも報告されています。
症例:ヨツユビハリネズミ、推定2-3歳、雄、300g
主訴:いつもに比べ食欲が落ちている。
視診では内出血痕を認めました。
エコー検査:脾臓がいびつに腫大
仮診断:脾臓の腫瘍
腹腔内出血を起こすと、命に関わる可能性が高いため、飼い主様と相談し、脾臓摘出を行いました。
治療:脾臓摘出
脾臓の腫瘤は脆弱で、犬や猫に比べ、腹腔外に牽引するのが難しいです。
やや切開創を広くし、押し出すようにして慎重に処理します。
シーリングシステムを利用し、出血もなく手術を終えることができました。
術後は大きな問題もなく、2週間後に抜糸をしました。
病理検査結果:リンパ腫(高悪性度)
脾臓全体に独立円形細胞由来の腫瘍細胞が多巣状性増殖している。
腫瘍が脾臓被膜を越えて周囲の脂肪組織に浸潤している。
リンパ腫の高悪性度のため、予後は厳しいと判断されます。
生活の質を維持向上を目的に術後化学療法(L-asp、プレ)を行いました。
早期発見・早期治療が難しい動物ですが、可能な限り元気に過ごせるようにサポートしていきたいと思います。
以上です。