こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回はハリネズミの瞬膜腺癌について症例を紹介します。
動物において瞬膜に発生する腫瘍は稀で、腺癌や扁平上皮癌、メラノーマ、リンパ腫などが報告されていますが、予後など十分なデータがないのが現状です。
症例:ハリネズミ、♀、体重670g
主訴:目の腫れが急速増大し、ステロイド点眼を行うも治らない
視診では、瞬膜が辺縁不整に腫大し、腫瘍が疑われるため針生検を行った
細胞診:腫瘍性病変を疑う
治療:眼球を含めた眼窩の内容物の摘出
瞬膜腫瘤は眼窩深部方向へ浸潤しており、可能な限り切除範囲に含め、眼球ごと一括切除しました。残存組織は電気デバイスで合併症が出ない範囲で切除、焼烙しました。
病理組織診断:瞬膜腺癌(不完全切除)
腫瘍は第三眼瞼に由来し、異型性は高度、有糸分裂像は31個/10視野、周囲組織への浸潤傾向と腫瘍内の壊死を認めた
術後は特に大きな合併症もなく、肉眼上も問題ありませんでした。
おそらく予後は悪いと思われますが、必要に応じて抗がん剤の軟膏や疼痛管理を行っていく予定です。
Kommentare