ウサギの炎症を伴う頚部脂肪腫

最終更新: 6月30日


こんにちは、獣医師の竹田ともみです。

今回はウサギの脂肪腫についてご紹介したいと思います。

手術の写真も掲載致しますので、苦手な方はご注意下さい。



症例:頸部(首)にしこりができたウサギさん(7才・避妊雌)。その大きさは初診時で50mmほどと比較的大きく、細胞診を行いました。


細胞診:脂肪細胞、マクロファージ、好中球

悪性腫瘍の所見は見当たらず、肉芽腫性病変、脂肪腫が疑われました。


脂肪腫とは…良性腫瘍の一種で、犬でも比較的多く見かけることがある腫瘍です。

転移や急激な増大の可能性は低く、機能障害や急速増大がなければそのまま経過観察をする場合もあります。


今回のケースでは触診するとやや硬く、細胞診だけでは確定診断ができないため、飼い主様と話し合い、外科的切除を行うことになりました。術前検査として血液検査とx線検査を行い、特に異常がなく、麻酔前のリスク評価としてASA class2に分類されました。


以下、術中の写真を掲載します。

腫瘤の中心を切開し、周りの血管や脂肪組織を丁寧に剥がしていきます。

露出した腫瘤です。中に黄色の組織が見えます。脂肪組織や肉芽腫の場合でも血管が通っている部分が多いため、細心の注意を払いながら切除します。

腫瘤部分を取り切った跡です。筋肉に癒着はなく、出血も全くなく無事終わりました。

脂肪組織も含めると80mmほどの腫瘤でした。この腫瘤は病理検査に出し、確定診断を行います。


病理検査結果:化膿性肉芽腫性炎症を伴う脂肪腫

脂肪腫は良性腫瘍のため、予後良好です。しかし、化膿性のため感染コントロールをしっかりと行います。術前術後はもちろんのこと、1週間ほどは抗生剤の内服と傷口の消毒を行います。傷口を気にしてしまう子は、術創を保護する必要があります。

あえて犬猫のカラーの付け方と逆にすることで、牧草を食べやすく工夫しました。この子はすぐにカラーに慣れて食事・排便排尿に問題ありませんでした。ごはんを食べない場合は強制給餌等も必要です。


手術から3週間後の様子です。

毛が生えてきて少しわかりづらいですが、感染もなく綺麗に傷口が閉じています。今後も定期検診を行う予定です。


当院では、高性能の手術用デバイスを導入しており、出血量を抑え、麻酔時間を短縮することで動物への負担軽減に努めています

ウサギの外科手術にも対応しておりますので、ご相談下さい。


埼玉県川口市のハーブ動物病院より

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埼玉県川口市のハーブ動物病院