ハーブ動物病院スタッフ

2021年2月7日1 分

ハリネズミの子宮腫瘍

最終更新: 2021年2月8日

こんにちは。

ハーブ動物病院です。

今回はハリネズミの子宮腫瘍について紹介します。

ハリネズミの子宮疾患は皮膚病に次いで2番目に多い病気であるという調査結果があり、飼育されている未避妊のメスの33%に子宮疾患が認められるとも言われています。

ここで、症例を紹介します。

症例:ハリネズミ、370g、3歳7ヶ月齢、メス

主訴:陰部から出血

まずは鎮静下で、膀胱と子宮を中心に異常がないか精査します。

膀胱を触診し、圧迫排尿では、黄色の尿を確認できました。

エコー検査を行うと、子宮の腫大が確認されました。

x線検査では肺野など異常は認められませんでした。

仮診断:子宮疾患による出血

治療:異常子宮と卵巣の摘出

最小限の傷で慎重に子宮と卵巣を摘出しました。

術後の経過も問題ないため、翌日に退院となりました。

抜糸の際も異常はなく、おうちで元気に走り回っているそうです。

病理検査:子宮内膜間質腫瘍

(腫瘍は内膜に限局しており、切除縁で腫瘍細胞は認められない)

ハリネズミの子宮疾患の中で最も多いとされている腫瘍でした。

ハリネズミの子宮内膜間質腫瘍の転移は稀で、予後も良いとの報告があります。

隠れた転移病巣などなければ、今後は元気に過ごせると思われます。

以上です。

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