ハーブ動物病院スタッフ

2023年1月22日2 分

ハリネズミの子宮の腫瘍

こんにちは。

ハーブ動物病院です。

今回はハリネズミの子宮の腫瘍症例を紹介します。

術中写真を掲載しています。苦手な方は注意して下さい。

ハリネズミの子宮の腫瘍はほぼ悪性で、症状としては元気食欲低下、陰部からの出血、腹部膨満などがあり、治療は外科切除が主です。

今回の症例は陰部から大量出血があり、元気食欲廃絶で来院され、エコー検査で子宮領域に拡がる腫瘍を認め、一般状態が悪く、麻酔リスクは高いですが、飼い主様とご相談の上、外科切除となりました。

麻酔下では特に状態が悪く、自発呼吸がすぐ止まってしまうので、麻酔深度を浅く調整し、定期的に酸素化を繰り返しながら管理しました。

子宮腫瘍は子宮角から子宮体、子宮頚まで拡がり、内部で出血がありました。

膀胱との生理的癒着部位より深くまで拡がっておりましたが、外膜と腫瘍は癒着しておらず遊離していたため、致し方なく、腫瘍内切除に近い核出術に変更して微小な血管をバイポーラで焼烙しながら腫瘍を引き抜いて全摘出しました。

とても難易度の高い症例でしたが、術後は顔つきも良くなり、3日程入院治療すると食欲も回復し、良好な排便排尿も認め、退院となり、無事に元の生活に戻ることができました。

エキゾチックアニマルは積極的な治療をご決断される場面が犬や猫に比べ少ないですが、前向きに治療することで救われることもあり、早期発見早期治療はやはり重要です。

以上です。

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